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- 給料ファクタリングを利用したい
- 給料ファクタリングが気になっている
- 給料ファクタリングのリスクが知りたい
結論:給料ファクタリングは違法
今まで法律のグレーゾーンだった給料ファクタリングですが給料ファクタリングは違法な貸金業者、つまり闇金としてみなされます。
金融庁の公式見解
今まで法律上グレーゾーンだった給料ファクタリングは金融庁の公式見解として令和2年3月5日付けで違法と判断されると発表されました。
令和2年3月24日には東京地裁で給料ファクタリング業者を違法な貸金業者として契約無効・刑事罰対象とするという判決がくだり、司法でも違法と判断されています。

法整備がまだされていない
闇金として判断された給料ファクタリングですが、2020年5月現在・普及している給料ファクタリング業者すべてを取り締まる法整備はまだ追いついていません。
増加する新たな闇金・給料ファクタリング被害を避けるためには給料ファクタリングの危険性を国民一人ひとりが認識し、利用しないことが重要です。
もしも今、被害に悩んでいるなら
もしも既に給料ファクタリングを利用してしまい被害に悩んでいる方は闇金に強い弁護士・司法書士に相談することで取立てを止めることができます。
ケースによってお金を取り返すこともできるのでまずは相談することを強くお勧めします。


給料ファクタリングとは?
ファクタリングとは債権売買取引の事で、違法なものではなく企業が資金繰りとして利用するものでした。
個人を対象にした債権売買取引
給料ファクタリングは企業ではなく個人を対象に給与を債権として売買取引をします。
"給料債権"という概念
給料債権とは将来、給料がもらえる権利を債権とみなすことを言います。
つまり給料ファクタリングとはその給料債権を売買することで法律上・債権の売買は貸金には当たらないことから、これまでグレーゾーンとされてきました。
給料ファクタリングの仕組み
給料ファクタリングの利用構図は以下のとおりです。
給料ファクタリングの仕組み
- 業者と契約を結ぶ
- 手数料を差し引いた給料債権の買取金を払われる
- 利用者の勤務先から通常通り給料が支払われる
- 得た給料を原資に手数料を乗せた清算金を払う
なぜ違法と判断されるのか?
一見、給料ファクタリングは給与の債権売買であることから貸金ではないように思えますが司法は以下の判断を示しました。
ここではかんたんに要約して解説します。
- 給料ファクタリング(給与債権売買取引)は手形割引や売渡担保などの方法に類する貸付行為と判断される
- 給料ファクタリング業者は貸付を行う貸金業者に当たる
- そのため手数料は金利として換算される
法律では貸金業者に対し以下の事が定められています。
- 貸金業者は国の登録が義務
- 年利109.5%以上の貸付は無効化+刑事罰対象
- 違法な原因で給付(貸付)された金銭は不法原因給付とし返還の義務を負わない
給料ファクタリング業者が無登録業者であることや、貸付金額に対し20%前後の手数料(金利に変換すると約600%超)を課していることから違法であると判断されます。

個人でなく企業のファクタリングについて詳しく知りたい方は下記ページをご参考にされてみてください。

給料ファクタリングのリスク
一見・違法ではないように見える"給料ファクタリング"ですが、利用すると以下のようなリスクを背負うことになります。
個人の弱みにつけこまれる
例えば"借金があること"や"借入を利用したこと"を「会社や家族に知られたくない」という方は多くいらっしゃいます。
契約時に渡した家族や勤務先などの情報を利用して脅され、無理に借金返済を強要される被害が相次いでいます。
悪質な取立て・嫌がらせ
上記した個人の弱みにつけこまれる例もそうですが過剰な電話や恫喝などこれまでの闇金と何ら変わりない嫌がらせや取立ての被害に遭うケースが多く、非常にリスクが高いです。
中には自己破産を選ぶケースも
苛烈な取立や嫌がらせの結果・返済できず自己破産を選んだ被害事例もあります。
たった数万円の利用があっという間に数十万円、百数万円単位にまで膨らみます。


甘いメリットに騙されないで
今すぐ現金が必要という場合・冷静さを欠いてしまいがちですが給料ファクタリングの甘言に騙されてはいけません。
違法業者が謳うメリット
給料ファクタリングでは以下のようなメリットが掲げられていますが、これは"闇金"だからこそできるものです。
闇金が掲げる甘いメリット
- 即日で現金を用意できる
- 金融ブラックでも利用可能
- 信用情報を傷つけない
- パート、アルバイトOK
- 秘密性がある
- デフォルトリスクがない
HPでは低金利を謳っておいて難癖をつけて増額・別名目で金を巻き上げるケースもありメリットの引き換えに失うものの大きさは計り知れません。
手数料は法定金利を超える暴利
給料ファクタリングでは手数料の名目で利益を得ますが闇金(違法貸金業者)とみなされたからには手数料=利息として換算されます。
例)15万円の借入の場合
- 手数料を引いた10万円が融資される
- 給料日に手数料をたした15万円を返済
↓
手数料(利息)5万円
↓
年利・約600%
(最大法定金利の約300倍)
最大法定金利は年・20%、法律上・年109.5%を超える金利は違法とみなされ無効化されます。
契約と称した個人情報の入手
契約時にはご自身の住所や名前以外にも勤務先や家族構成などの個人情報を渡しますが、この個人情報を転売されたり・「勤務先にバラす」「家族に請求する」と脅迫の材料などに悪用されるケースが多くあります。


今回のまとめ
今回の記事を簡単におさらいしていきましょう。
給料ファクタリングは違法
今までグレーゾーンとされていましたが給料ファクタリングは違法です。
闇金とみなされるため安易な利用は非常に危険です。
給料ファクタリングのリスク
返済できなくなると個人の弱みにつけこまれ脅迫されたり、悪質な取立や嫌がらせをされるなど従来の闇金と何ら変わりない被害に遭うリスクがあります。
甘いメリットに騙されない
闇金が掲げる甘いメリット
- 即日で現金を用意できる
- 金融ブラックでも利用可能
- 信用情報を傷つけない
- パート、アルバイトOK
- 秘密性がある
- デフォルトリスクがない
給料ファクタリング業者は上記のような甘いメリットを掲げますが、闇金(違法貸金業者)だからこそのものです。
利用するとメリットの代わりに大きなものを失う恐れがあります。
一人一人の意識が重要
金融庁や司法で給料ファクタリングの違法性が示されたものの全ての給料ファクタリングを取り締まる法整備はまだできていません。
被害を避けるためには国民一人ひとりが給料ファクタリングについて以下のように認識する必要があります。
給料ファクタリングの認識
- 給料ファクタリングは危険
- 給料ファクタリングを利用しない
もしも利用してしまった時は?
もしも給料ファクタリングを利用してしまった時は"闇金に強い弁護士・司法書士に相談"しましょう。
通常の弁護士・司法書士は闇金に関する案件を嫌がるため、闇金に強い弁護士・司法書士を選ぶことを強くお勧めします。

