闇金体験談|生活保護受給中に利用したLINE闇金で自己破産へ(求職中・ツトム40歳)

闇金体験談|生活保護受給中に利用したLINE闇金で自己破産へ(求職中・ツトム40歳)
闇金体験談|生活保護受給中に利用したLINE闇金で自己破産へ(求職中・ツトム40歳)
生活保護は消費者金融から借金できない

離婚を機に、サラリーマンから生活保護受給者になった50歳ツトムさん(仮)。精神的な病もあり、今までと同じように働くのが難しくなったとのことで生活保護を受給するようになったそうです。

しかし、元からあった借金も返済できず、誰にも相談できないままついには闇金へ。生活保護受給者も審査なしで利用できるという謳い文句に魅かれたそうです。

そんな彼を待ち受けていたのは、闇金を利用する前よりも金がなく、精神をえぐるような生活だった―。

今回は、生活保護を受給しながら闇金を利用したというツトムさんにお話しいただいた体験談をご紹介します。

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-著者情報-
金城
日本闇金解決センター金城
1973年生まれ、大阪出身。弁護士事務所勤務を経て、2017年ヤミ金解決センターを設立から早9年目に突入、闇金問題を専門的に研究・対策を行ってきました。法律事務所時代、闇金被害の相談が多く困っている依頼者が多いことから一念奮起。闇金被害の解決の手助けを通して「本来持っているべき幸せ」を手に入れてほしいと願っています。
-監修者情報-
ウイズユー司法書士事務所/奥野正智
ウイズユー司法書士事務所
司法書士 奥野正智
闇金問題解決のトップスペシャリストとして、業界屈指の50,000件超の解決実績を誇る司法書士・行政書士。NHKをはじめとするメディア出演多数で、闇金被害の実情と対処法について広く啓発活動を行っている。「被害者に徹底的に寄り添い、最速での問題解決を実現する」をモットーに、法的知識と豊富な経験を駆使して依頼者を救済。法テラス登録相談員として社会貢献にも尽力し、LEC東京リーガルマインド専任講師として後進の育成にも携わる多彩な専門家。大阪司法書士会会員第2667号 / 簡裁認定番号第312416号 / 大阪府行政書士会会員第7123号 / 法テラス登録相談員 / LEC東京リーガルマインド専任講師
全国の闇金に強い弁護士・司法書士

順風満帆な生活からマンガ喫茶での生活へ

私はごく普通のサラリーマンでした。一般企業に勤め、妻と子ども、3人と生活を送っていたんです。

子どもは当時5歳。来年から小学生という年齢の時、私たち家族の生活は一変しました。

会社の倒産

私が勤めていた会社はいわゆる零細企業です。家族経営の小さな会社です。卸売りが主な仕事でしたが、その中でも営業を担当していました。

大手企業と比べたら残業も多かったかもしれませんが、当時の私は特になにも思っていませんでした。子どももこれからという時で、仕事にも身が入っていましたしね。

そんな時です。会長が昔から付き合いのある方から大口の仕事を取って来られたのは。

従業員全員が手放しに喜べるくらい大きな案件で、私も年内の営業は必要ないんじゃないか、と考えたほどでした。

ですが、これが大きな間違いだったんです。

会長が懇意にされていた取引先が連絡もなく突然行方不明になって。希望通り発注してしまったものだから、在庫の管理もできなくなってしまったんです。

それからは早かったですね。瞬く間に会社は倒産。私も職を失い、行く当てがなくなりました。

ですが、家族にはこのことが言えず。倒産前と変わらず、毎朝会社に行くふりをして家を出ていました。

この時に話すべきだったんです。その先にこんな未来が待っているなら…。

マッチングアプリで出会った30代女性との不倫

仕事でもないのに毎日家を空けていたので、時間をつぶすのが難しかった。それで、暇つぶしにマッチングアプリを始めたんです。

本当なら新しい仕事を探すべきでしたが、あの時の私にそんな気力はなく、ただ惰性で日々を過ごしていたんだと思います。

マッチングアプリに登録したら、すぐに何人かの女性からメッセージが届きました。

会うつもりもありませんでしたが、何通か返信したらポイントが足りなくなって。以降は課金が必要と出たので、課金してメッセージを続けました。

趣味の合う女性とマッチして、来週会おうという話しになりました。まずは食事から。

まるで中学生の恋愛のようにワクワクしました。いい歳したおじさんが気持ち悪いですよね。でも、その時の私は盲目で、自分を客観視することなんてできなかったんです。

約束したその日、私たちは終電までホテルで過ごしました。食事中も話が盛り上がり、つい出来心でホテルに行ってしまったんです。

その後も何度かその女性と会い、定期的に食事をするのが日課になった頃、妻にバレました。

というか、もっと前からバレていたのに泳がされていたんです。興信所の方が写真を撮っていたようなので。

ある晩、いつものように家に帰ったら目を真っ赤にした妻が何枚もの写真をにぎりしめていました。私と、マッチングアプリで知り合った女性がホテルを出入りする写真です。

と同時に視界に入ったのは離婚届。すでに妻の欄は記入されており、私にも記入するよう言われました。

言い逃れできない。終わった、と思いました。離婚届を記入し、そのまま家を出ました。

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マンガ喫茶での生活

行くあてもなかったので、マンガ喫茶で暮らすようになりました。シャワーもあるし、寝るのには困りませんからね。

でも、その時点で貯金はほとんどなくて。離婚届にサインした時に通帳もそのまま置いてきていたので、お金を引き出す手段もありませんでした。

妻と子どもと暮らしていた家に通帳を取りに行ってもよかったのかもしれません。でも、ここまで迷惑をかけておいて妻や子どもに会わす顔もなく。通帳を取りに行く勇気はありませんでした。

そこで思いついたのが消費者金融で審査が通ったところは上限ギリギリまで借りました。でも、返せるはずもない。だって、その時無職ですからね。

利息は膨らむばかりで、希死念慮を抱くようになりました。

マンガ喫茶のパソコンでは、どこがいい、どんな場所がいい、自ら命を絶つ方法ばかり調べるようになってしまったんです。

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その日もいつも通りマンガ喫茶のトイレに行こうと思ったら、急に声をかけられまして。高校時代の同級生でした。

高校時代はあまり関わりのないタイプだったんですが、彼は私を見てすぐに気が付いたようでした。

お恥ずかしい話、高校生のころの私は原付を乗り回して頻繁に生徒指導の先生にお世話になるようなタイプでして。反対に、声をかけてくれた同級生は優等生。いつも成績も上位で、遊びより勉強というように見えていました。

20年は会っていませんでしたが、その間に彼はIT企業の社長になっていました。スラっとした身長に清潔感のあるシャツがとてもに会っていたのを覚えています。

すぐに「外で話そう」と言われ、近くのカフェで今の状況を聞かれました。見るからに精神的に限界が来ている顔をしていると言われたんです。

私は普通に過ごしているつもりでしたが、精神状態って人相に出るんですね。20年ぶりに会った友人に一瞬で見抜かれたんですから。

生活保護の申請と心療内科受診

現在収入がないことも話すと、生活保護の申請を勧められました。落ち着いたら仕事を探せばいいし、いつまで現実から逃げているんだ、と叱られました。

冷静に考えればごもっともです。自分で犯した罪を認めず、目の前のことから逃げていてもなにも変わりませんよね。

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高校時代の友人の助け

生活保護の申請と併せて、心療内科の受診も勧められました。後に話してくれましたが、いつ何をするかわからない顔をしていたと言われたんです。

ただ、生活保護を受給するには住所が必要でした。でも、マンガ喫茶を家の代わりにしていたので、申請できる住所はなく。

正直に話したところ、なんと自宅の一室を使っていいと言ってくれたんです。なぜここまで親切にしてくれたのか当時はわかりませんでしたが、そこまでしないと自分で命を絶つと思ったそうです。

通いやすい心療内科や、生活保護の申請、なにからなにまで手伝ってくれたおかげで、無事生活保護も受給できるようになりました。

精神的な変化

マンガ喫茶での生活を辞め、友人の家で暮らすようになってからというもの、一気に生活が落ち着きました。

メンタルも少し安定して、毎日検索しないと気が済まなかった希死念慮もなくなってきたんです。

もちろん心療内科でカウンセリングを受けていることも関係していると思いますが、それだけではないはずです。

自分で犯した罪を見つめ直し、改めようと思えたことが大きいような気がしています。

ギャンブルをきっかけに利用した闇金

でも、前向きな生活は続きませんでした。きかっけは気晴らしに行ったパチンコです。

当時私は住まわせてもらっている友人宅と心療内科を行き来するのが日課でした。そして、そんな日々に少し退屈していたのかもしれません。

3時間で消えた生活保護費

その日は生活保護受給日だったんです。それで気が大きくなっていたのもあるかもしれませんね。

パチンコ台の前に座って、気が付いた時には1万円使っていました。30分くらいの出来事です。

ヤバイ、と思ってもう1万円入れて、気が付いた時には手元にあった7万円を全て使い切っていました。

私が受給していた生活保護費は7万円だったんです。そして、友人宅で生活するためのルールとして、日用品は生活保護費から購入。

その他、料理や掃除など、できる範囲の家事は私が担当することになっていました。

でも、このままでは日用品を買えませんし、もしかしたら友人に家を追い出されてしまうかもしれない、と考えました。

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生活保護でも借りられるLINE闇金に申し込む

友人にバレたらまずと思って、すぐにスマホで借入先を探しました。

でも、生活保護では消費者金融を利用できません。もし借りられたとしても、生活保護を打ち切られてしまう可能性がありますから。

それは困るので、闇金を探したんです。でも闇金は怖い。

それで、電話もせずに借りられそうなLINE闇金というものを見つけ、早速申し込みました。

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LINE闇金からの振り込みと返済

申し込みしてから1時間くらいで希望額5万円が振り込まれていました。内心、振り込まれなかったらどうしようと思っていたので、不覚にも安心したのを覚えています。

そして、LINEには返済日が記載されていました。最初の返済日は7日後でした。

ですが、私の収入は生活保護費のみ。振り込まれたその日に使い切ってしまったので、次にお金が入るのは1カ月後です。

LINE闇金から5万円借りられましたが、返済の見込みは一切ありませんでした。でも、LINE闇金に借りたおかげで日用品の買い物をしてから帰宅できました。

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友人にバレるLINE闇金

LINE闇金が友人にバレたのはすぐでした。取り立ての電話がしつこかったので。

返済予定日の、借入から7日経ったその日、私のスマホは5分おきに鳴っていました。

日中は友人が仕事に出ているので無視していればよかったですが、夜になっても同じように電話は鳴り続いて。さすがにおかしいと思った友人に事情を聞かれました。

嘘がつけないほど電話も鳴っていたので、LINE闇金のことを素直に告白。この世の終わりかと思うくらい叱られました。

大人になってまで、こんなことで怒られているのが情けなかったです。

でも、友人は違いました。「相談しやすい環境を作れなくて申し訳ない」とむしろ謝られたのです。

それを聞いて私も号泣。なんて友だち泣かせなことをしてしまったんだ、と心の底から反省しました。

LINE闇金解決と自己破産手続き

実は、多重債務者ということは話していませんでした。ですが、LINE闇金のこともバレたんです。

全て話した方がよいと思い、倒産や離婚、借金とLINE闇金のことを話しました。

債務整理と闇金に対応している弁護士に相談

LINE闇金の他にも多重債務のことを話したら、弁護士か司法書士に相談したらいいと友人にアドバイスされました。

どちらも取り扱いがあれば1つの事務所で解決できるかもしれない、と教えてくれたんです。

借金のことは困っているけど、弁護士や司法書士に相談できるようなお金は持っていなかったので、専門家に相談できないと思っていました。

でも、弁護士や司法書士って無料相談もあるんですね。手元にお金がなくても相談できるそうなんです。

それで、何社か無料相談を使って話を聞き、1番親身になってくれた弁護士さんに相談することになりました。

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即日なくなるLINE闇金の取り立て

まるで魔法みたいに、次の日にはLINE闇金の取り立てがなくなりました。

たしかに担当弁護士さんが「明日辺り、電話が来なくなると思います」と説明してくださいましたが、本当に翌日から闇金の取り立てがなくなるとは。

正直半信半疑でしたが、本当にすぐ電話が来なくなって驚きましたね。

闇金の鳴りやまない電話取り立てについてはこちら

自己破産で多重債務をゼロに

それから、LINE闇金以外の借金は自己破産の手続きをしてもらいました。

今まではメールで来る返済催促や消費者金融からの連絡で精神的にツライ部分もありました。でも、これも全て手続きしたことでなくなり、心機一転、一からやり直す決意もできました。

LINE闇金と自己破産手続きを終えた今

あれから、私はまだ友人の家で過ごしています。生活保護を受給して、心療内科にも定期的に通いながら。

一時はあんなに自死について調べていたのに、今では全く興味がなくなったんです。不思議なものです。

借金を整理して闇金の取り立てもなくなり、気持ちに余裕ができたのかもしれません。

生活保護を受けながら仕事を探す

今は生活保護を受給しながら仕事を探しています。いつまでも生活保護で暮らすわけにはいきませんから。

しばらく働いていなかったので怖かったんですが、担当のケースワーカーさんも親身になってくれて。できそうな仕事や、自分に向いていることも一緒に考えてくれています。

職探しと同時に大切なのが、困った時に相談できる環境だそうですよ。

過去の自分を振り返る

今となっては、倒産のことを元妻に相談していれば不倫することもなく、離婚には至らなかったんじゃないかと思うんです。

それに、離婚がなければ多重債務して自己破産しないといけなくなることもなかったかもしれない。

LINE闇金だって同じ。せめてパチンコに使ってしまった時、友人に相談していればLINE闇金に借りることもなかったかも。

どれも相談しなかったことが原因じゃないか、って思うようになりました。

たしかに倒産にしろ、ギャンブルにしろ、人に話しにくいのはわかります。どちらも嬉しい話ではありませんからね。

でも、そこで相談しなかったらいつの間にかどん底に落ちることもあるんですよ。これは私が実際に体験しましたから。身をもって実感したんです。

だからぜひ、倒産や借金、不倫なんかで思い詰めている人は誰かに話してみたらいいと思います。

借金のことなら弁護士や司法書士がいいかもしれませんし、法テラスの無料相談を利用するだけでも違うかもしれませんね。

不倫なんかはご友人に相談されるのも良さそうですね。もしかしたら怒られるかもしれませんが、不倫がきっかけで私のように多重債務になったり、LINE闇金まで利用する可能性もあるので。

私はこれからも仕事探しを頑張ろうと思っています。いつどんな仕事に就けるかわかりませんが、私に必要なのは前を向くことだけです。

あとがき|LINE闇金と自己破産を経験したツトムさんの話を聞いて

今回ご自身の体験をお話しくださったのは、現在求職中のツトムさん。生活保護を受給しながら、前に進んでいらっしゃるとのことでした。

過去には会社の倒産や借金、不倫や離婚と経験され、最終的にはLINE闇金にまで手を出してしまった。ご自身でも分析されていましたが、たしかに早い段階で誰かに話すだけでその後の人生は違ったのかもしれません。

ツトムさん、ここまで赤裸々にお話しくださりありがとうございました。ツトムさんならご自身にぴったりの仕事に出会えると思います。