個人の金貸し|違法と合法の違いは?個人間融資を利用すると人生詰む

結論からお伝えすると、個人の金貸し(個人間融資)を利用すると人生が崩壊するかもしれません。
とはいえ、個人の金貸しが合法のケースもあります。知らないうちに違法な金貸しを利用してしまわないよう、ぜひご確認ください。
合法な個人の金貸しの定義は?
合法な個人の金貸しの定義は、以下のとおりです。
単なる個人間のお金の貸し借りであれば、法律違反にはなりません。たとえば、以下のケースはOKです。
- お昼ご飯代の一部を友達に借りた
- 親族から一時的に学費を借りた など
お金を貸し付けることで利益をあげたり、金融機関のように継続してお金を貸したりしなければ、個人の金貸しは問題ありません。
つまり、おばあちゃんやおじいちゃんからお金を借りる。このような個人のやり取りは合法ということです。
個人の金貸しが違法になるケース
以下の場合は、貸金業法上、貸金業を営んでいるとみなされ、国あるいは都道府県から登録を受ける必要があります。
- 反復継続する意思を持って貸し付けている
- 営利目的で貸し付けている
上記に当てはまるにもかかわらず、貸金業の登録を受けていない場合は違法の可能性が高いです。
貸金業を営む場合は、財務局または都道府県の登録を受けなければなりません。無登録で貸金業を行っている業者を「ヤミ金」といい、無登録営業は貸金業法違反です。
引用元:財務省北海道財務局「その貸金業者の『登録』、大丈夫ですか?」
また、以下のケースも貸金業法に違反します。
- 高額な金利で貸し付け
- 過剰な取り立ての実施
- 身分証明書の不携帯
- 暴力団員の従事
上限金利を超える貸し付けや、過剰な取り立てを行った場合は貸金業法違反です。さらに、従業員が身分証明書を携帯していなかったり、暴力団員が絡んでいたりするのも違法です。
違法な個人融資が問われる罪
違法な個人融資が問われる罪は、以下のとおりです。
- 無登録営業:10年以下の懲役or3,000万円以下の罰金(両方科せられることも)
- 高利貸し:5年以下の懲役・1,000万円以下の罰金(法人は3,000万円)
- 不当な取り立て:2年以下の懲役or300万円以下の罰金(両方科せられることも)
また、貸金業無登録者が勧誘するだけでも、2年以下の懲役あるいは300万円以下の罰金に処される可能性もあります。
個人の金貸しは、主に貸金業法の規定に抵触する恐れがあります。
違法な個人の金貸し|個人融資が浮上する場所は?

違法な個人の金貸しだとわかっていれば、利用しないという人もいるでしょう。
しかし、探せば簡単に見つかるうえ、すぐに貸してくれると言われれば、お金に困っていると利用したくなってしまうのが現実です。
ここで、実際に違法な個人の金貸しがどこに現れるのか確認します。簡単に見つかったとしても、同じ状況であれば利用しないほうがよいでしょう。個人であっても闇金と同じような利息を請求されますよ。
ケース①:X(旧:Twitter)に浮上する個人融資

X(旧:Twitter)では、違法な個人の金貸しが簡単に見つかります。たとえば、「お金貸します」と検索すると、名前に個人融資を匂わす言葉の入ったアカウントが数多く見つかります。
気になる人は利用しないことを大前提として、自分でも調べてみるといいかもしれませんね。
実際にアカウントをクリックすると、ほとんどのアカウントが表示を制限されていました。
制限された理由は法的な要請に応じてと記載があるので、トラブルがあったのではないかと推測できます。
簡単に見つかる個人融資ですが、アカウントを確認すると怪しいものばかりです。
ケース②:X(旧:Twitter)でターゲットを探す個人融資
X(旧:Twitter)では、怪しい金貸しアカウントがターゲットを探す様子が見て取れます。

こちらの画像のアカウントは、以下の甘い言葉でターゲットをおびき寄せています。
- 他社借り入れがブラックでもOK
- 在籍確認なし
- 低利息 など
「最大10万円も借りれるの?」と興味を引かれるかもしれませんが、ハッシュタグにP活という言葉もあり、怪しいと言わざるを得ません。
また、ターゲットを探しをしている投稿で日本語がおかしいアカウントも見つかります。

単なる打ち間違いの可能性もありますが、こちらのアカウントはほかの投稿の日本語もおかしなところがあったので、信用するのは危険です。
ケース③:すぐにDMに誘導する個人の金貸し
X(旧:Twitter)に限らず、違法な個人の金貸しはすぐにDMに誘導してくる傾向があります。
投稿内には、以下の言葉が散見されます。
- お金に困っているならすぐにDMください
- 24時間LINE受け付け
DMだけではなく、直接LINEへ誘導する言葉もありますが、いずれにしても安易に登録したり、連絡したりするのはNGです。お金に困っているのになぜ登録や連絡をしてはいけないのかは、このあと確認していきます。
金城です
以前法律事務所で働いていたとき、すぐにDMに誘導されてお金を借りたら相手が闇金で困って相談してきた人がいました。お金の貸し借りのために、すぐにDMに誘導されたら疑ったほうがいいかもしれません。

手遅れ?ネットで知り合った個人の金貸しを利用してしまったら

簡単に見つかる個人の金貸しを利用してしまう人もいるでしょう。では、利用してしまったら手遅れなのでしょうか?
いえ、まだ諦めてはいけません。すぐに対処することで、危険なトラブルから身を守れます。すでに被害が発生している場合も、最小限に食い止められるでしょう。
ただし、今大丈夫だからと言って解決を後回しにすると危険に巻き込まれる可能性があります。安易に考えず、なるべく早く対処されることがおすすめです。
「すでに個人の金貸しを利用している」「今連絡を取っているところ」という人は、どのように対処すればいいのかぜひ参考にしてください。
弁護士・司法書士に相談する
個人の金貸しを利用してしまったら、弁護士や司法書士に相談しましょう。個人融資を利用するとトラブルにあうことがありますが、一人で対処するのはおすすめできません。
一人で対処すると、以下のリスクがあります。
- 高圧的な態度をとられる
- 個人情報をもとに脅迫される
- うまく言いくるめられて被害が拡大する など
弁護士や司法書士に相談すると、法的アドバイスを受けられます。今後どう行動すればいいかわかるでしょう。初回相談無料の事務所もあるので、ぜひ検討してください。
法テラスや消費者生活センターへの相談
個人の金貸しを利用してしまったら、法テラスや消費者生活センターへの相談も有効です。
法テラスは、国が設立した法的トラブル解決を目的とした総合案内所です。法的トラブルの解決に必要な情報の提供や、以下のようなサービスを受けられます。
- 経済的に困っている人の無料相談
- 弁護士や司法書士費用の立替え など
一方、消費者生活センターは国家資格を持つ消費生活相談員や専門知識を持つスタッフが対応してくれるのが特徴です。具体的には、以下のサポートを受けられます。
- 消費者に関する法律をもとにしたアドバイス
- 事業者との間に入って被害回復 など
相談は無料なので、まずは消費者生活センターへ事情を説明し、指示を仰ぐのもいいかもしれませんね。
怪我や器物破損があれば警察へ
個人の金貸しを利用すると登録した個人情報から自宅や職場を特定され、厳しい取り立てにあうことがあります。
厳しい取り立ては単に大きい声を出したり、しつこくつきまとったりするだけではありません。怪我をしたり、ものを壊されたりすることも。
そのようなときは、迷わず警察に相談しましょう。警察に相談するときは、専用の電話番号「#9110」にかけてみてください。
犯罪や事故に当たるのか分からないけれど、ストーカーやDV・悪質商法など警察に相談したいことがあるときには、警察相談専用電話「#9110」番をご利用ください。全国どこからでも、電話をかけた地域を管轄する警察本部などの相談窓口につながります。
引用元:政府広報オンライン『警察に対する相談は警察相談専用電話 「#9110」番へ』
警察は民事不介入が原則なので、個人の金貸しについては対応してくれないかもしれませんが、怪我や器物破損などの実害が生じれば別です。
怪我や器物破損なら取り締まってくれる可能性があるので、速やかに報告してください。
それでも借りたい…個人の金貸しが人生を狂わせる理由

個人の金貸しが危険なことがわかり始めたものの、「お金もないし、それでも借りたい…」と思う人もいるでしょう。しかし、個人の金貸しを利用すると、人生を大きく狂わされるかもしれません。
ここでは、なぜ個人の金貸しが人生を狂わせるのか理由をチェックしていきます。理由がわかれば、個人の金貸しを利用したい気持ちもなくなるでしょう。
理由①:個人融資を運営する中の人は闇金
個人であっても反復継続する意思を持つ場合は貸金業に該当し、登録を受ける必要があります。しかし、個人の金貸しは貸金業の登録をしていないことがほとんどです。
つまり、個人融資を運営する中の人は闇金の可能性が高いといえます。
SNSなどで勧誘する個人融資については、金融庁も注意喚起しています。
・個人を装ったヤミ金融業者により違法な高金利での貸付けが行われる
・ 個人情報が悪用されるなどして、犯罪被害やトラブルに巻き込まれる
などの危険性があります。
ヤミ金融業者による個人間融資は利用しないようにしましょう
引用元:金融庁「貸す側も、借りる側も#個人間融資に要注意!」
官公庁も個人間融資は貸金業法の規定に抵触する恐れがあることを指摘しています。個人の金貸しを利用したら、闇金や犯罪などのトラブルに巻き込まれる危険があると認識しておきましょう。
理由②:法外な利息を請求される
個人の金貸しを利用すると、法外な利息を請求されて返済の負担が大きくなり、生活を圧迫します。結果、金銭的に苦しくなり、人生を狂わされてしまうでしょう。
法外な利息については、政府広報オンラインでも触れられています。
正規の貸金業者がお金を貸すときの上限金利は年2割(元本10万円未満の場合)です。しかし、個人間融資の場合、「10日で3割」といった法外な利息の支払を求められることがあります。1度でも借りてしまうと、高金利のため返済が難しくなります。
引用元:政府広報オンライン『新たな手口のヤミ金融に注意!「#個人間融資」「後払い(ツケ払い)現金化」「先払い買取現金化」』
実際、10日で3割といった法外な利息を請求されると、利息を支払うだけで手一杯になります。いつまで経っても元金が減らない、あるいは借金がどんどん膨れ上がっていくことも少なくありません。
理由③:メンタルが崩壊する異常な取り立て
貸金業法では、以下の取り立てを禁止しています。
しかし、個人の金貸しは闇金の可能性が高く、法律を守るとは考えにくいのが現状です。そのため、恫喝や早朝深夜の取り立てが行われることもあるでしょう。
メンタルが崩壊するだけでも嫌ですが、同時に身体的なダメージを受ける恐れもあります。さらに、近所の人や職場の同僚に知られた場合は、社会的なダメージを受けることも覚悟しなければなりません。
金城です
以前法律事務所にいたときに、個人の金貸しを利用して厳しい取り立てにあっていると相談してきた人がいました。早急に解決に向けて行動したからよかったですが、心身ともに疲弊していて、そのままだったら病んでしまっていたかもしれませんね。

理由④:いつの間にか犯罪に巻き込まれることも
個人の金貸しを利用すると、いつの間にか犯罪に巻き込まれることもあります。
たとえば、返済した犯罪組織に利用されていたら、個人融資を通して犯罪に加担したことになってしまいます。
場合によっては、借りた人が警察から呼び出しを受けて、その経緯などを聞かれる可能性もあります。意図せず犯罪組織に加担する、犯罪に巻き込まれるといった事態を避けるためにも、個人の金貸しの利用はおすすめできません。
個人の金貸しがダメならどうすれば?ブラックOKな資金調達法

「個人の金貸しがダメならどうすればいいか知りたい!」
このような人に向けて、ブラックOKな資金調達法を紹介します。
ダメだダメだと言われても困りますよね。ブラックでもお金を用意できる方法はあります。
自分に最適な資金調達法は何か考えながら読み進めてみてください。
中小消費者金融を利用する
ブラックだったり、なかなか審査に通らなかったりする場合は、中小消費者金融をぜひ利用してください。
- フクホー
- セントラル
- いつも
- キャッシングのフタバ など
大手消費者金融はAIスコアリングで機械的に審査しますが、中小消費者金融は個人の状況に合わせて柔軟に審査してくれるのが特徴です。
現在の返済能力だけではなく、人柄などで融通を利かせてもらえる可能性があります。
ただし、中小消費者金融なら絶対に借りられるわけではないので、ほかの資金調達法と併用するといいかもしれません。
メルカリや質屋で中古品を販売する
メルカリや質屋で中古品を販売するのもおすすめです。
メルカリは、個人でもものの売り買いを簡単にできるフリマアプリです。写真を撮って価格を決めて商品をアップロードすれば、最短数十秒から数分で売れることもあります。
不用品などがある場合は、積極的に販売してみましょう。同じような商品がどの程度の価格で売られているか調べてから価格設定するのがおすすめです。
一方質屋は、品物を預けてそれを担保にお金を借りられます。一般的には査定額の7〜8割ほどを借りられると言われています。期限までに元金と利息を返済すれば品物が返ってくるので、メルカリのように売るのは抵抗があるという人にいいかもしれません。
まずは不用品、預けていい品物を探してみましょう。
国の扶助制度を利用する
実は、国からお金を借りる方法もあります。たとえば、以下のような制度があります。
制度 |
説明 |
緊急小口資金 |
一時的に支援が必要な人が最大10万円までを最短1週間で借りられる制度 |
総合支援資金 |
継続的な支援が必要な人が利用できる制度 |
臨時特例つなぎ資金貸付制度 |
住居のない離職者が、公的支援を受けるまでの資金が不足している場合に利用できる制度 |
ほかにも、お金を借りられる制度はいくつかあるので、気になる場合は公式サイトなどで調べてみるとよいでしょう。国の制度であれば、安心して借りられますよね。
連帯保証人が入れば無利子で借りられたり、年利1.5%という低金利で貸し付けを受けられたりするので、活用をぜひ検討してみてください。
タイミーやシェアフルで単発バイトを探す
資金調達したい人は、タイミーやシェアフルといった単発バイトを探してみてはいかがでしょうか?
いずれもスキマ時間を活用して働ける場所を探せるアプリですが、特徴は異なります。
名前 |
特徴 |
タイミー |
働いたその日のうちに給料がもらえる |
シェアフル |
複数日・長期働ける求人もある |
どちらもバイトを探すのにおすすめのアプリなので、併用するのも効果的です。
お金を借りて用意するのもいいですが、働いて資金調達すれば返済する必要がないので気持ちも楽かもしれませんね。
違法な個人の金貸しと合法業者の違いまとめ

違法な個人の金貸しと合法業者の違いは、貸金業の登録があるかどうかです。営利目的である場合や、貸し付けを反復継続する意思が認められる場合は、国や都道府県から貸金業の登録を受けなければなりません。
登録がないのに貸金業を営んでいるのは、闇金です。
インターネットやSNSで簡単に見つかる個人の金貸しは、闇金がほとんどでしょう。利用すれば、法外な利息を請求されたり、厳しい取り立てをされたりする恐れがあります。
「すでに個人の金貸しを利用している」「取り立てに困っている」という人は、弁護士や司法書士への相談も検討してみてください。
一人で対処するのは危険です。法律の専門家を味方につけて、適切に対処しましょう。