官報に掲載されると闇金から連絡がくる?次のターゲットはあなたかも

自己破産や個人再生を行うと、官報に掲載されます。すると数か月の間、闇金から連絡がくることがあります。
ここで「さすがに闇金からお金は借りないよ」と思った人、あなたが次のターゲットかもしれません。
官報に掲載されるということは、自己破産や個人再生を行っていることになります。想像してください。自己破産や個人再生をしたあなたはお金に余裕がありますか?むしろ、現金に困っている可能性が高いのでは?
このような金銭面に不安を感じている状態で、
といった内容を伝えられたら、断るのは簡単ではありません。その上、闇金が強引に勧誘してきたら、あなたにはもはや借りる以外の選択肢はないかも…。
闇金は官報を新しい顧客獲得ツールとして悪用している
闇金は、官報を新しい顧客獲得ツールとして悪用しています。
官報に載った人は自己破産や個人再生の手続きをしており、ブラックリストに登録されるため、正規の金融機関から借り入れするのが困難になります。そして、その困っている人を狙っているのが闇金です。
ほかでは借りれない人をターゲットにして、お金を貸し付けて金銭を搾り取るのが彼らの狙いです。具体的には、以下のように連絡してきます。
- 官報で把握した住所にダイレクトメールを送付する
- 電話番号を調査して直接電話をかける
- SNSアカウントを特定してDMでアプローチする
官報に情報が掲載されたことをきっかけに、闇金の被害にあった人が増えているとの情報もあります。「官報掲載=闇金から連絡がくる」と心の準備をしておいたほうがいいかもしれません。
闇金かどうか見極める!違法業者の特徴とは
「良い条件でお金を貸すと言われるとどうしても誘惑に心がぐらついてしまう…」
このような人もいるでしょう。そこで、闇金かどうか見極められるように、違法業者の特徴をお伝えします。
- 10日で1割、10日で3割など高金利を設定している
- 貸金業の登録を行っていない
- 審査なしで借りられる
- ブラックでもOKとしている
- 事務所や実店舗がない
- 電話番号が携帯電話のみである(頻繁に番号が変わる)
- SNSで「#個人間融資」などのハッシュタグをつけてお金を貸している
- 契約内容の説明がほとんどない
SNSの個人間融資については、政府からも注意喚起がなされています。
近年広がりを見せているヤミ金の様々な形態の取引である「#個人間融資」「後払い(ツケ払い)現金化」「先払い買取現金化」などといった手口には十分注意が必要です。安易に利用すると、法外な高金利での貸付けやしつこい取り立てなどの被害に遭う危険があります。
引用元:政府広報オンライン『新たな手口のヤミ金融に注意!「#個人間融資」「後払い(ツケ払い)現金化」「先払い買取現金化」』
いずれにしても上記の特徴に一つでも当てはまったら闇金を疑うべきです。少し怪しいけどいい人そうだし大丈夫だろうと安易に利用すれば、闇金の思う壺です。
金城です
昔法律事務所に勤務していたときに、怪しいとは思っていたものの、お金に困っていたので借りると、実は相手が闇金とわかり困っていると相談にきた人がいました。この方は早い段階で相談してくれたので、スムーズに解決できましたが、お金に困っていると正常な判断がしづらくなります。そのため、根拠もないのになぜか大丈夫だろうと安易に利用してしまう人が多いため、注意してください。

闇金がターゲットにする人の特徴とは
大前提として、良心的でまともな闇金は存在しないと認識しておいてください。いくら優しい言葉をかけてきても、対応が丁寧でも、以下のようなターゲットからお金を搾り取るのが目的です。
- 審査に通らなくなった人
- ブラックリストに載った人
- 専業主婦(夫)
- お金に困っている人
やや意外なのは専業主婦がターゲットに入っていることではないでしょうか?専業主婦は、収入がないので借入審査が通りにくい傾向があります。そして、そこを闇金に狙われます。
エステに行きたい、化粧品やブランド品が欲しいと思っている専業主婦は闇金からしたら「カモ」です。自分のことではなく生活費や学費などが足りなくて悩んでいる場合も、闇金のターゲットになるでしょう。
金城です
以前法律事務所で働いているときに、闇金からお金を借りてしまった専業主婦の方が相談にきていました。子どもの塾代を支払うために借りたようですが、高金利により返済ができなくなったとのことでした。家族にバレたくないという希望だったので、配慮しながら交渉を行い、無事解決できましたが、これは特別なことではなく誰にでも起こりうることだと思います。お金のことを家族に相談しにくい場合は、公的機関に相談してみるのもいいかもしれません。

闇金がチェックしている官報とは?掲載される情報

闇金がチェックしている官報は、国が発行している広告・広報紙です。わかりやすくいえば、国が出している新聞のようなものですね。
普通に過ごしていたら触れることはほとんどありませんが、実は休日を除いて毎日発行されています。以下で掲載される情報について詳しくお伝えします。
自己破産・個人再生で官報に情報が載る
自己破産・個人再生を行うと、官報にその情報が載ります。これは、自己破産や個人再生が行われた事実を金融機関やクレジットカード会社などに周知するためです。
たとえば、自己破産であれば破産手続開始決定と免責許可決定が行われたタイミングで、2回官報に掲載されます。

その人自身を責める目的ではないので、勘違いしないでくださいね。あくまでも、金融機関やクレジットカード会社が申請者の返済能力を判断するという業務に支障をきたさないように、情報を共有します。
官報には住所や名前が掲載されてしまう
官報掲載で注意しないといけないのが、住所や名前などが記載されてしまうこと。具体的には、以下のような内容が掲載されます。
- 住所
- 氏名
- 決定年月日時
- 主文(決定事項)
- 債権者の届出期間 など
これらの情報から個人を特定して、闇金は連絡してきます。ただし、いくら嫌でも官報への掲載は拒否できないので注意が必要です。闇金からの連絡は無視する、住所や名前が出ない方法で債務整理するといった対策をするしかありません。
官報を閲覧する方法は?
官報自体は、以下の方法で閲覧可能です。
- 各都道府県にある官報販売所で購入する
- インターネットで無料閲覧する
- 大規模な図書館へ行きバックナンバーを見る
- 有料の官報検索サービスを利用する
ただし、インターネットで無料閲覧できるのは発行から90日間に限定されています。

引用元:内閣府「官報」
また、全官報の「官報サービスセンター一覧」を確認すれば、全国で官報を扱っているところがわかります。普段閲覧することはないと思いますが、確認しようと思えばできることは知っておきましょう。
実は官報掲載は問題ない?しかし闇金を利用すれば人生オワコン!?

「官報に住所も名前も掲載されたら人生終わりだ…」と思う人もいるかもしれませんが、実はそうでもありません。官報に掲載されるだけなら、それほど大きな影響がない理由をここでお伝えしますね。
ただし、官報に掲載されると闇金から勧誘が来ることがあります。この勧誘への対応が人生を大きく左右するといっても過言ではないでしょう。もし勧誘にのって闇金を利用すれば人生オワコンです。
闇金を利用すると本当にやばいと言われる理由について、把握しておきましょう。
官報に載るだけなら実はそれほど大きな影響はない
実は、官報に載るだけなら実はそれほど大きな影響はありません。周囲にバレるのではないかとビクビクしている人もいるかもしれませんが、安心してください。
まず、官報に載る情報は自己破産や個人再生だけではありません。国からの報告をはじめ、大量の情報が掲載されます。たとえば、一般的には30ページほど、多い場合は100ページにも及びます。
しかも、文字は小さいというおまけつき。この中から、一人の個人情報を見つけることができると思いますか?一度確認してみるといいですが、官報から一人の情報を見つけ出すのは至難の業です。
次に、そもそも官報をみますか?という点です。日本人の多くは日常的に官報を確認していませんし、見聞きしたことがないという人も多いでしょう。それこそ、正規の金融機関か闇金くらいですね。
情報量の多さもありますが、そもそも多くの人の目に触れるものではないという理由から、官報に掲載されるだけならそれほど大きな影響はないといえます。
官報に載れば闇金の勧誘は来る
とはいえ、何度もお伝えしてきましたが、闇金は官報をくまなくチェックしており、実際に連絡をしてきます。大変ではないのかと質問したくもなりますが、そこまでしてでもやる意味がある、儲かるのだと思います。
事実、SNSで官報掲載をきっかけに闇金から連絡がきたという口コミは複数見つかりました。

たくさん融資の誘いがくると投稿している人もいたので、人によっては多くのダイレクトメールが届くのかもしれません。

一方で、官報をみて行動してみたのは闇金1件だけという投稿もあり、無視するのが前提であれば過度な心配は不要です。

この投稿で家族も知人も気づかずにとあるように、誰にもバレずに進むケースもあります。いずれにしても闇金から勧誘がくる可能性はありますが、対応しなければ大きなトラブルになることはありません。
恐怖と借金のダブルパンチ!闇金を利用すると本当にやばい!
では、官報掲載をきっかけに連絡してきた闇金を利用するとどうなるのでしょうか?具体的には、以下のようなトラブルに発展します。
- 暴力や暴言を伴う取り立てが続く
- 法外な利息によりいくら返済しても借金が減らない
- 日常的に悪質な嫌がらせを受ける
- 職場にまで取り立てが及び居場所がなくなる(クビになる)
- 家族にも危害が及ぶ など
実際、日本貸金業協会には以下のような事例も寄せられています。
北海道在住のサラリーマンAさんは、東京都豊島区の貸金業者C社(登録番号詐称)からダイレクトメールが届いた。Aさんは消費者金融から250万円の借入れ(実質金利15.0%)を行っており、「金利1.8%で融資します」と書かれたダイレクトメールを見て低金利のC社に借り換えようと決意し、250万円の融資を申込んだ。後日、その業者より1万5千円の振込みがAさんの口座にあり、1週間後に4万円振込め(返済しろ)と連絡があった。本日は支払えないと告げたところ、Aさんの親宛に30万円の請求をされ、さらにAさんの息子さんが働いている職場には「金を返せ」などの嫌がらせのFAXが30枚も届いた。
引用元:日本貸金業協会「被害の実例」
本人だけではなく、親や息子の勤務先にまで嫌がらせがあるなんて想像してなかった人もいるのではないでしょうか?闇金はみなさんが想像しているほど、甘くはありません。
闇金を利用すると、取り立てや嫌がらせなどで毎日恐怖を感じるだけではなく、減らない借金に心がパンクしてしまいます。甘い誘惑に踊らされ、相手の口車にうまくのせられないように注意してください。
【助けて!】官報経由で闇金を利用してしまったら?

「そんなこと言われても、官報経由で連絡がきて闇金を利用してしまった。」
このような人はどうすればいいのでしょうか?実は、トラブルを解決する方法が一つあります。すでに闇金と接触している人は、ぜひ参考にしてみてください。
警察や消費生活センターに相談するのはありだが遅い
闇金に限らず、トラブルになると警察や消費生活センターが浮かぶ人も多いと思います。たしかに、警察は犯罪者を逮捕してくれますし、消費生活センターは無料でトラブルの相談に乗ってくれます。
しかし、警察や消費生活センターへの相談は対応が後手に回ることも。たとえば、警察は原則民事不介入なので、刑事事件になるような事態でなければ相談に乗るだけで終わってしまうこともあります。
民事不介入とは、簡単にいえば犯罪性のないトラブルは自分たちで解決してねということです。警察に相談するときは、以下のような違法行為が確認できてからにしましょう。
- 自宅に押しかけてきた
- 死ね、殺すなど暴言を吐かれて命の危険がある
- 違法行為に加担させられた など
また、消費生活センターは、トラブルを解決するために弁護士や司法書士へ斡旋することがあります。つまり、最初から弁護士や司法書士へ相談したほうがスムーズにトラブルを解決できるかもしれません。
警察や消費生活センターに相談するのもいいですが、対応が遅くなる可能性があることは頭に入れておきましょう。
最もおすすめなのは弁護士・司法書士への相談
闇金を利用してしまった場合、最もおすすめなのは弁護士・司法書士への相談です。弁護士や司法書士は法律の専門家であり、相談することで闇金からの取り立てや嫌がらせを止められる可能性があります。
ただし、法律の専門家といえど、全員が闇金を得意としているわけではありません。得意分野は異なるため、相談する前に闇金に強いかどうかチェックしましょう。とくに、以下のような特徴がある弁護士・司法書士は闇金に強いのでおすすめです。
- 闇金解決の実績が豊富
- 口コミ・評判が良い
- 支払い方法に後払いや分割払いがある
- 全国に対応している など
相談相手を適当に選ぶと交渉がスムーズに進まないだけではなく、いつまで経ってもトラブルが解決しない可能性があります。
すでに闇金を利用してしまった人は、担当者との相性も気にしつつ、上記の特徴に当てはまる専門家を探してみてください。
お金がないなら闇金ではなくほかの選択肢を
闇金がやばいとわかっていても、お金がないなら利用するしかないと考える人もいます。しかし、闇金を利用しなくてもお金を用意する方法はいくつかあります。
たとえば、不用品の売却は部屋の掃除も兼ねて行えるのでおすすめです。一つひとつが大きな金額になるかは不明ですが、まとめて売ればある程度の金額になる可能性があります。
不用品を売却するときは、買取業者とフリマアプリをうまく使い分けましょう。
種類 |
特徴 |
買取業者 |
・実店舗なら、即日現金化できる ・すぐにお金がほしい人におすすめ |
フリマアプリ |
・すぐに売れるとは限らないが、買取業者では値がつかなかったものも売れる可能性がある ・今すぐではないが、なるべく多くのお金を用意したい人におすすめ |
不用品がないという場合は、中小消費者金融から借り入れる方法も有効です。中小消費者金融は大手と違い、自社独自の審査を実施しています。そのため、ブラックでも借り入れられる可能性があります。
おすすめの中小消費者金融を載せておいたので、参考にしてみてください。
機関 |
特徴 |
フクホー |
・来店不要 ・支払い金額自由 |
セントラル |
・少額の借入もできる ・都合のいい方法で申し込める |
いつも |
・来店不要 ・在籍確認の電話なし |
フタバ |
・いつでも申し込める ・初めてなら30日間は利息ゼロ |
エイワ |
・対面での融資 ・毎月の支払い計画が立てやすい |
また、借り入れを増やすのに抵抗がある場合は、日払いのバイトも選択肢の一つです。
タイミーやシェアフルなどを活用すればその日のうちにお金が受け取れるかもしれません。返済を気にする必要もないので、こちらのほうが向いている人もいるはずです。
名前 |
特徴 |
タイミー |
働いたその日のうちに給料がもらえる |
シェアフル |
複数日・長期働ける求人もある |
このように、闇金ではなくてもお金を用意する方法はいくつかあります。闇金を利用して地獄を見たくない人は、紹介した3つの方法を試してみてください。
官報掲載後に闇金から連絡があっても返事はNG!まとめ

官報に掲載されること自体は、それほど大きな問題ではありません。官報自体をくまなくチェックしているのは金融機関と闇金ぐらいなので、家族や友人にバレることはないでしょう。そして、金融機関は悪意をもって情報を使うことはないので安心してください。
問題は闇金です。無視すればいいですが、官報掲載後、闇金からの連絡に返事をすると大きなトラブルに発展します。借りたい気持ちもわかりますが、闇金を利用すれば待っているのは恐怖と借金地獄です。
どうしてもお金を用意しないといけない場合は、中小消費者金融から借り入れたり、日払いバイトをしたりすることをおすすめします。いかなる状況であっても闇金への返事はNGです。
もし闇金を利用してしまった場合は、弁護士や司法書士などの専門家へ相談して早期解決を図りましょう。