お金がない時、あなたはどうしていますか？
「そりゃあ、借りるしかないでしょ！」たしかに、お金がない時はなんとか用意するしかないので、借り入れするという発想もわかります。しかし、闇金の利用はNGです。
このような魅力的な言葉にひかれて闇金を利用してしまい、闇バイトに巻き込まれる人が増加しています。
ここで、私は闇バイトにかからないと思っている人は危険かもしれません。「自宅に押しかけるぞ」「職場に連絡するぞ」と言われてもあなたはしっかり拒否できますか？
闇金を利用したら、問答無用で闇バイト（犯罪行為）に引きずり込まれることもあるのです。
この記事では、お金がない時に闇金を利用して闇バイトに巻き込まれた人の末路を紹介します。
こんなところで人生詰みたくないですよね？お金がない時にやるべきことと、トラブルに巻き込まれた時の相談先も解説するので、ぜひ参考にしてください。
お金がない時、簡単かつすぐに借り入れられると聞くとどうしても魅力的に感じてしまいます。しかし、それが闇金だった場合、その後闇バイトに巻き込まれて人生詰んでしまうかもしれません。
闇金の取り立てや嫌がらせだけでもかなりの恐怖を感じるのに、闇バイトに巻き込まれると最終的に自分も犯罪者になる可能性があります。
そして、一度闇金を利用してしまうと、自力で抜け出すのはほぼ不可能でしょう。
闇金は、実は身近なところに潜んでいます。
たとえば、SNSで「お金貸します」と調べると、以下のような投稿が数多く見つかります。
連絡すれば、実際にお金の貸し借りの話になるでしょう。しかし、こちらは個人間融資といい、裏には闇金（違法業者）が潜んでいることがほとんどです。
さらに、5ちゃんねるという掲示板でも、このような情報が多数書き込まれており、利用しようと思えばすぐに連絡できてしまう環境です。
ただし、闇金は絶対に利用しないでください。利用したあとに待っているのは、以下のようなトラブルです。
トラブルに巻き込まれると精神的に病んでしまうだけではなく、犯罪に加担してしまうケースもあります。闇金はトラブルや犯罪行為の温床です。どのような状況でも近づかないほうがよいでしょう。
以前法律事務所で働いていた時に、闇金からの取り立てや嫌がらせがひどくて困っていると相談にきた人がいました。詳しく聞くと、今でいう闇バイトをやらされそうだということもわかり、絶対に対応しないようにアドバイスした事例がありました。闇バイトは単なるバイトではなく、犯罪行為です。持ちかけられても対応してはいけません。
闇金を利用すると、闇バイト（犯罪行為）へ加担するように指示されることがあります。なかには以下のような脅迫を行い、強制的に参加させるケースも散見されます。
とにかく私たちが嫌がる、恐怖を感じる言葉を使い、断れないようにしてくるので拒否するのは容易ではないでしょう。
また、利息が高すぎて闇金への返済ができず、SNSで高額バイトを探し、闇バイトに手を染めてしまう人も。たとえば、闇金からお金を借りた結果、職場にまで電話が行くようになってしまったので闇バイトへ応募し、逮捕された人がいます。
この方は、報酬30万円の人を車で送迎する仕事に応募して、闇バイトに巻き込まれていきました。東京地方裁判所立川支部はこの方が強盗事件に関わったとして、懲役2年6ヶ月の有罪判決がくだされています。
参照：NHK首都圏ナビ「投資詐欺被害から闇バイトに手を染めた23歳被告“人を運ぶ仕事は犯罪にならないと思ってしまった”その経緯とは」
闇金をきっかけに闇バイトに巻き込まれる人はあとをたちません。闇金を利用すると、高額な利息の請求や厳しい取り立てにあうだけではなく、犯罪行為へ加担させられると覚えておくとよいでしょう。
「犯罪行為だし、そんなに危険なら闇金も闇バイトもやめればいいよね？」と簡単に考えている人もいます。しかし、闇金も闇バイトも自力で抜け出すのはほぼ不可能でしょう。
そもそも簡単に抜け出せるのであれば、わざわざ犯罪行為に加担する人がこんなにたくさんいるでしょうか？
まず、闇金は一度利用すると借金地獄に陥ります。たとえば、闇金でよくある10日3割という条件で借り入れた場合、借金10万円は1ヶ月で2倍以上になります。結果、借金は雪だるま式に増えていき、永久的に返済し続けなければなりません。
ここで、高額な報酬を得られる闇バイトで一気に返済しようとすれば、まさに相手の思う壺です。仮に高額な報酬を得られたとしても、犯罪行為を行ったあなたは相手に弱みを握られています。
想像してみてください。「犯罪行為に加担したことをバラすけどいい？」と言われたら、あなたなら勇気を持って断れますか？
このように、闇金も闇バイトも自力では抜け出せない状況を作り出されてしまいます。闇金と闇バイトにとらわれた人生を送りたくないのであれば、決して利用してはいけません。
昔法律事務所に勤務していた時に、闇金への返済が追いつかないと相談にきた人がいました。その人は最初に数万円しか借りていなかったはずが、借金がたった数ヶ月で数十万円にも膨れ上がっていました。闇金から借り入れた人の多くは、金利の高さに悩まされます。闇金から借り入れると、お金に余裕ができたのも束の間、すぐに借金漬けの日々になります。
近年、闇金からの闇バイトという流れが横行していますが、闇金は善意で高額なバイトを紹介してくれるわけではありません。
これで借金を返せると甘い言葉をささやき、私たちを罠にはめようとしているのです。実際、闇バイトは単なるアルバイトではなく犯罪です。
闇バイトについて、警察も以下のような見解を示しています。
SNSやインターネットの掲示板などで、短時間で高収入が得られるなどと甘い言葉で犯罪の実行者を募集する投稿が掲載されています。「簡単に高収入を得られるなら」と安易に応募してしまうと、詐欺の受け子や強盗の実行犯などの犯罪に加担させられ、犯罪者となってしまいます。絶対に手を出さないでください。
そして、闇バイトの裏にはトクリュウの存在も。高額な報酬に釣られれば、あなたも犯罪者グループの一員になってしまうかもしれません。
最近、ニュースで闇バイトという言葉をよく見かけるようになりました。闇バイトは、犯罪行為をすることで報酬を受け取るアルバイトのことです。
以下は闇バイトの一例です。
| 種類 | 内容 |
| 特殊詐欺 | ・振り込め詐欺や架空請求詐欺など ・詐欺の電話をかけるかけ子やお金を受け取る受け子などが募集されている |
| 運び屋 | 違法薬物や騙し取った現金を指定場所まで運ぶ |
| 名義貸し | ・契約のために名義を他人に貸す行為 ・銀行口座や携帯電話などの契約のために使われる |
特殊詐欺が犯罪行為なのはわかると思いますが、運び屋や名義貸しでも犯罪者グループの一員として扱われます。しかも、運び屋は運んでいるものの中身を知らなくても犯罪行為に当たります。
闇バイトに参加すると、初犯であっても犯罪グループの一員として扱われた結果、実刑判決がくだることも。単なるバイトとして認識していたとしても、犯罪行為に加担したと判断されるケースがあるので注意が必要です。
警察庁が発表した闇バイトを始めた経緯に関する調査によると、2023年1月から7月までに闇バイトで逮捕された人の全体の約47％がSNSから応募したと回答しています。
参照：東京都 特殊詐欺加害防止 特設サイト「逮捕されるまで辞められない？闇バイトの勧誘方法の実態」
実際、SNSで「高額バイト」と調べると以下のような書き込みが多数見つかります。
調べてもいいですが、絶対に応募しないでくださいね。
SNSやネット掲示板で上記の特徴に当てはまるバイトを見つけたら、闇バイトの可能性が高いので避けたほうがよいでしょう。応募すれば、残念ながらあなたも犯罪者グループの一員です。
闇バイトにおいて、トクリュウの存在は無視できません。
トクリュウは、匿名・流動型犯罪グループの略称で、実行犯を募集してさまざまな犯罪に関わる集団と位置付けられています。特徴はなんといっても、SNSを介して結びつくこと。闇バイトの裏にはこのトクリュウが潜んでいるのです。
たとえば、2025年5月にも所得税の申告書を提出し、約576万円の還付金を騙し取ろうとしたとして、トクリュウのメンバーら10人が逮捕される事件が発生しました。
この事件は、SNSで募集した闇バイトがe-Taxに必要なIDとパスワードを税務署から取得。トクリュウの担当者に送信して確定申告を提出し、金銭を騙し取ろうとしたものです。
このように、闇バイトの裏には自分の手は汚さない、指示役、まとめ役となるトクリュウが存在します。
そして、このトクリュウの存在を重く考え、福岡県警は各部署から横断的に捜査員を集めた100人規模の新部署を設置することを決めています。
私たちも警察が特別な部署を設置するほど、トクリュウによる被害が拡大していると知っておいたほうがよいでしょう。
参照：讀賣新聞「新形態「匿名・流動型犯罪グループ」に対応…福岡県警が「組織犯罪捜査課」組織横断で新部署」
ここまでで、闇金や闇バイトの危険性がわかり始めたという人も多いでしょう。
ＳＮＳやインターネットの掲示板には、仕事の内容を明らかにせずに著しく高額な報酬の支払いを示唆するなどして犯罪の実行者を募集する投稿が掲載されています。簡単に高収入を得られるなら、と応募して、強盗や詐欺といった犯罪に加担することとなり、逮捕された人が多くいます。絶対に手を出さないでください。
警察庁の言葉からも、その危険性が伝わりますよね。では、実際に利用した人はどのような末路を辿るのでしょうか…。以下で、実際に利用した人の身に起きた最悪の末路をいくつか紹介します。
闇バイトに手を出した結果、なんと18歳の大学生が逮捕されています。
この大学生は、パチンコでの負けが続き、楽に稼げる闇バイトのリクルーターの仕事を始めたようです。リクルーターは、SNS上で闇バイトを募集する担当のことです。
この大学生は、簡単に大金を稼げることに目が眩んだのでしょう。過去に闇バイトを家族に指摘されたようですが注意を聞かず、SNS上で闇バイトの募集をしていたところ、愛知県警によるサイバーパトロールで発見されました。
たしかに、大金が手に入ればその瞬間は豊かな生活が送れるかもしれません。しかし、数十万円の報酬で一生過ごすのは不可能ですし、そのあとに待ち受けているのは逮捕か犯罪組織からの脅しです。
参照：朝日新聞「「闇バイト」のリクルーター役か 当時高校生の少年を逮捕 愛知県警」
こちらは現金を運んだだけですが、逮捕に至った例です。
「強盗は分からないが、現金を運んだ」と供述している。
上記のように、実際に逮捕された本人は強盗のことはわからないが現金を運んだと供述しているようで、単に現金を運んだだけでも逮捕されることがわかります。
さらに、X（旧：Twitter）で応募していたこともわかり、SNSに闇バイトが蔓延っていることもあらためて証明されました。身近に存在する闇バイトには十分注意しなければなりません。
ほかにも数名がこの事件に関連して逮捕されています。
闇バイトを利用した人の末路として、なかなか抜け出せずに泥沼になることがあります。
これは、やめようとしても指示役から脅されるからです。たとえば、吹田署で逮捕されたある男性は、やめようとしたけど以下のように言われてやめられなかったと答えています。
参照：讀賣新聞「闇バイト指示役から「家族の住所知っている」「逮捕される」…脅され抜け出せず泥沼に」
このように、個人情報を使って脅されて犯罪グループから抜け出せなくなるケースは多いです。「逮捕されるならまだマシ」という意見も見られ、闇バイトの怖さがひしひしと伝わるでしょう。
とはいえ、お金がないなら闇金か闇バイトを選ばざるを得ない…そんなふうに思っている人もいるでしょう。しかし、お金がない時にやるべきことは、闇金と闇バイトを利用することではありません。
闇金と闇バイトは自分のクビを絞め、自らを追い詰めることになるだけです。ほかにも選択肢は残されています。
お金がない時こそ、以下の3つのことを実践してみましょう。
お金がない時にできることとしては、不用品の売却です。とにかく家中のいらないものを売却してみてください。掃除も兼ねてと考えれば、少しは気が楽になるでしょうか？
一つひとつが大きな金額になるかはわかりませんが、まとめて売ればある程度の金額にはなるかもしれません。不用品は、買取業者もしくはフリマアプリで売却するといいですよ。
| 種類 | 特徴 |
| 買取業者 | ・実店舗がある場合、即日で現金化できる ・すぐにお金がほしい人におすすめ |
| フリマアプリ | ・すぐに売れるとは限らないが、買取業者では値がつかなかったものも売れる可能性がある ・今すぐではないが、なるべく多くのお金を用意したい人におすすめ |
また、質屋を利用するのも一つの手です。質屋は貴金属や宝飾品を預けることで、その場でお金を借りられます。審査は本人確認のみなので、ブラックでも問題なく利用できます。
パソコンやカメラなど担保にできるものは増えているので、売るのは惜しいという人は質屋を検討してみてください。お金を返せば、預けていたものは手元に戻ってきます。
不用品などない！質屋に預けるものもない！という人は、公的支援制度を活用するのも有効です。たとえば、公的支援制度には以下のようなものがあります。
公的支援制度は、国や自治体が運営しているので安心して利用できるでしょう。ほかにもさまざまなものがあるので、お金がない時は自分でも利用できる公的支援制度がないか探してみることをおすすめします。
お金がない時は、債務整理も検討しましょう。債務整理には、以下のようなものがあります。
| 種類 | 特徴 |
| 任意整理 | ・将来の利息をカットしたり、返済期間を延長したりして毎月の返済額を減らす ・裁判所は通さない |
| 個人再生 | 裁判所を通して借金を減らしてもらう |
| 自己破産 | 裁判所に破産を申し立てて、借金の返済義務を免除してもらう |
債務整理を行うと、借金の負担が大きく減る可能性があります。ただし、自ら手続きを行うのはハードルが高いので、基本的には弁護士や司法書士に依頼することになるでしょう。
債務整理と聞くと少し抵抗がある人もいるかもしれませんが、借金の負担が大きく減る可能性があるのは非常に魅力的です。お金がなくて闇金や闇バイトに手を出してしまうくらいなら、弁護士や司法書士に債務整理の相談をするほうがいいかもしれません。
すでに闇金や闇バイトのトラブルに巻き込まれているなら、速やかに専門家に相談してください。迷う必要はありません。トラブルを放置していると、追い詰められて正常な判断ができなくなる可能性があります。
「でも、どこに相談すればいいのかわからない…」という人もいるでしょう。安心してください。以下でトラブルに巻き込まれた時の相談先を紹介します。
トラブルに巻き込まれた時に最もおすすめな相談先は、弁護士・司法書士です。弁護士・司法書士に相談すると、以下のようなメリットがあります。
ただし、相談する時は闇金に強い弁護士・司法書士を選びましょう。闇金に強い専門家に相談することで、早期解決を期待できます。闇金に強い弁護士・司法書士を選ぶときは以下のポイントをチェックしてください。
すでにトラブルに巻き込まれている人は、すぐにでも闇金に強い弁護士や司法書士を探すことをおすすめします。
トラブルに巻き込まれている場合は、消費生活センター・法テラスへの相談も有効です。
消費生活センターは、消費者ホットラインという窓口を設けており、闇金トラブルの相談も受け付けています。
引用元：消費者庁「消費者ホットライン」
ただし、闇金とのやり取りの間に入ってくれることはなく、相談内容に応じて警察や弁護士といったより専門的な機関を紹介してくれるだけというケースもあります。
解決に向けて速やかに動きたいなら、最初から弁護士や司法書士に依頼したほうがいいかもしれません。
また、法テラスは無料相談や弁護士・司法書士費用の立て替えサービスを受けられます。そのため、経済的に困窮している人でも問題なく相談できます。しかし、闇金に詳しくない弁護士・司法書士が担当になるケースもあるので、相談する際は注意が必要です。
トラブルにあったら警察！と考える人もいるかもしれませんが、相談する時は少し注意してください。
なぜなら、警察は原則民事不介入であり、すぐに操作に動いてくれなかったり、対応を後回しにされたりすることもあるからです。
ちなみに、民事不介入とは警察が一般人の対等な立場で解決すべき、民事上のトラブルには介入しませんという意味です。つまり、犯罪性のないトラブルについては自分たちで解決してねということ。
そのため、警察に相談する時は悪質な違法行為があるか、具体的な証拠があるか確認します。
このような場合は、迷わず警察に相談してください。警察に相談するのがダメというわけではなく、証拠が必要と認識しておくとよいでしょう。
お金がない時も闇金の利用はNGです。闇金は単に借金が大きく膨れ上がるだけではなく、強制的に闇バイトへ参加させられる可能性があります。
そして、闇バイトは普通のバイトではなく犯罪です。実際、闇バイトに手を出した結果逮捕される人が続出しています。借金地獄のうえ、犯罪者になってしまっては目も当てられません。
闇金や闇バイトは絶対に利用しないと心に誓いましょう。お金がない時は、不用品を売ったり、公的支援制度の利用を検討したりしてみてください。
また、すでに利用してしまっている人は、すぐに弁護士や司法書士へ相談することをおすすめします。闇金や闇バイトから自力で抜け出すのは、ほぼ不可能です。弁護士や司法書士はあなたの心強い味方になってくれるので、一人で抱え込まずに相談してみましょう。
各ページに様々な有用情報が記載されています、ご活用ください。